時事ドットコムニュース【芥川賞に村田沙耶香さん=直木賞は荻原浩さん】
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9月には【猿股!】が消えてしまうので、忘れないようちょっとこちらにメモ。
~2002年2月の本棚から転載~
『オロロ畑でつかまえて』◆荻原浩◆集英社文庫◆
若者たちが都会へと流出してしまう人口300人の小さな村、牛穴村。
特産物といえばカンピョウ、人参、オロロ豆、ヘラチョンペ。そして民芸品として今は生産されていないゴゼワラシ。
よくテレビで方言の強い地方でインタビューすると通訳が出ますよね。この小説も方言は残してはあるもののかなり標準語に近い言い回しになってます。
過疎化の対応策として青年団が選んだのは「村おこし」。
現実世界でも数年前にずいぶんと流行ったようですが、本当に「村おこし」は成功したのでしょうか?
倒産寸前の広告代理店を巻き込んでの村おこし。青年団は観光客を目当てにし、広告代理店は自社の儲けを企み、とんでもないことを計画します。そいつにマスコミが飛びつき、なぜか恋が生まれ…。
村おこしに奮闘する若者たちをはじめ、人間臭さの感じられる登場人物ばかり。読後感のよい作品でした。
田舎をバカにしつつ、都会もバカにする。著者の田舎と都会に対する愛情が伝わってくる1冊。