三十年前の写真が出てきました。
母がミシンをかけている姿を窓の外からじーっと見ていた猫。
「ごはん食べてく?」
「にゃ」
その日から部屋には入らず裏庭でごはんを食べるようになり、一ヶ月ほどたった頃だったか突然来なくなり、どうしたんだろうねー、どっかで美味しいものでも食べてるのかねーと家族で話しているとどこからか子猫の鳴く声。
あちこち探してみたけど見当たらない。
母が仕事でミシンを使おうとして裁縫道具や布を入れてある棚のカーテンを開けたら、その奥にいました。
猫は子供を産む場所を探していたんでしょう。
ごはんもくれるし追い払う人もいない、むしろココんちの人たちは歓迎しているようだ、カーテンの奥は布も敷いてあって暗い。
母によると「ちょっとその生地使うから一旦どいてちょうだい」と声をかけると「しょうがないわねぇって顔して出てきた」らしい。
子猫が何匹いたか忘れてしまったけど、猫は子猫をどこかに連れていきました。
最後の一匹と引越し中。