叔父から突然電話。
叔父からかかってくるとすれば「奥さんに何かあった」か「数名の知人への年賀状に叔父の悪口を書いたのが何らかの事情で叔父の手元に届いてバレた」くらいしか思いつかない。
どっちの理由でも困るんだけど、叔父はいきなり「猿ヶ京温泉の場所がわからないから検索しちゃったよ」と切り出した。
確かに叔父への年賀状に猿ヶ京温泉に行ったことは書いたよ。書いたけど、過去に叔父からうちに電話がかかってきたことはなかったから、絶対何かあったと思うじゃん。
「伊集院くんは本当に痩せられるのかね?」
「外山さんは今も好きだけど金曜たまむすびになってからはなんだか外山さんらしくなくて大竹まことのほうを聴いちゃうんだよ」
「車に乗っている時はTBSだな。荒川強啓のデイキャッチ聴いたら仕事は終わり」
「テレビで見た鯖を食べに行きたかったけどやめた」
いつまでたっても叔父は「なんで今、その話?」を続け、一向に電話を切ろうとしない。電話がかかってきてから30分がたち、「ちょっと、叔父さん、なんかあったの?」と話を遮ると「ほら、おばあちゃんのお葬式の日、おまえ、なんだか元気がなかったから」。
は?
おばあちゃんのお葬式って7年前じゃん。
それにお葬式で元気にはしゃいでたら、そっちの方が心配でしょうが。
いや、ほんと、どうしたんだ、叔父さん。