先週、オットからオーバーオールを出してくれと言われて、ずっと履かずにタンスの奥にしまってあったのを引っ張り出しました。
本人からすればジーパンにベルトをしていると腰あたりが汗だくになって気持ち悪い。以前買っただぶだぶのオーバーオールなら涼しいだろうと思って、妻に出してもらったってことなんですけど、いざ履いてみたらピッチピチでねぇ。
妻からすれば「ほれ見ろ」ですよ。
ここ何年かビールに間食、運動嫌いで腰まわりにボテッと肉がつきまして、それを指摘したら「健康診断で体重は全然増えてないし、胃のあたりが膨らんでいるのは子供の頃からだから」と現実を認めなかったんですよ。
昨年の父の葬儀でも親類縁者から「こんなに大きかったっけ?」と言われ、実家でゴロンと横になっているオットを見た母が私に「象アザラシみたい」と耳打ちしたのが聞こえても、周囲の目がおかしくなっていると信じていたオット。
五十も半ばを過ぎて無精ひげのおじさんがピッチピチのオーバーオールを履いているんですよ。笑わないワケないじゃないですか。オットが会社に行った後もしばらく思いだし笑いが止まらなかったわ。
翌朝帰ってきたオットは「やっぱ、オーバーオールだと涼しいわー」などと負け惜しみを言っていましたが、それっきり一度も履いていないところをみると、やっぱり窮屈で暑かったに違いないんです。
そこで妻は考えました。オットの知らぬ間に新しいオーバーオールを買おう、と。
ピッチピチのサイズを調べて、それよりふた周りくらい大きいサイズを探していたら、ちょうどいいのが見つかったのでオットの意見(ジーパンと靴は試着してからでないと買わない)は無視して注文しました。
福岡から届いたオーバーオールは湯たんぽみたいに温まっていました。夜勤明けで眠っていたオットを起こして「ちょっとこれ履いてみて」と手渡すと、のそのそ履いて、そこで急に目が覚めたんでしょうね。こんなひと言を呟きました。
「洗濯したら普通縮むよね。これ、伸びたよ。」
どんだけ寝ぼけてんだよ。
15,400円もする新品のオーバーオールだよ、それは。