2016年6月23日木曜日

ダンビラ

もげさんが「主人公の悦ちゃんがサルマタさんに似てる」と貸してくれた『悦ちゃん』。読了後、驚愕の事実が判明。


もげさん、私、この本、読んでました。 40年前に。

隣に住んでいた本好きのおばさんがドサッと貸してくれた文庫本の中に『悦ちゃん』があって、読みながらわからない言葉が出てきて、それは普通の辞書にも載っていないような言葉だったから、返す時におばさんに聞いたんだけど、わからなくても物語は面白かったでしょとか何とか言われて、その言葉のことはそのまま忘れてしまっていたんだけど。

40年前のあの本だとは気づかずに読み進めるうちに妙に気になる言葉が出てきて後でネットで調べようとメモをした瞬間に「ん?この言葉、ずいぶん前に書いた!」と思い出し、はて?どこで書いたんだっけかなとモヤモヤしながら読み、最後の一行を見た瞬間「あーーー!この本、隣のおばさんに借りて読んだ本じゃん!」と気づいたという。

40年前も今もわからなかった言葉は「ダンビラ」。

そして全てを思い出した最後の一行は「みんな田舎ッ平だなァ、なんにも知らないや!」。

もげさんの思惑とは違うかもしれないけど、私は悦ちゃんの最後の台詞を読んで「なるほど、私にそっくりだわ」と納得しました。

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写真

『悦ちゃん/獅子文六/筑摩書房』
『犬/中勘助/岩波文庫』
『猫と庄造と二人のおんな/谷崎潤一郎/新潮文庫』