2021年9月2日木曜日

コンバースの君


雨の日用に買ったコンバースの「BIG C FG SIDEGORE」。

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中学一年の夏休み、図書館で調べ物をしていると棚の向こうに同じクラスの清水さんがいるのを見つけた私はどうしたと思います?

手を振るでも声をかけるでもなく逃げました。

学校では同じ班で仲もよかったのに声をかけられなかったのは図書館という静かな空間だったからではありません。

初めて見た私服の清水さんがそりゃあもう眩しくて。

白いノースリーブのブラウスに、くるっとまわるとふわっと広がる向日葵模様のフレアスカート、そしてコンバースのバスケットシューズですよ。もうテレビに出てる人みたいじゃん!私なんか母が買ってきた変な色(緑青色)のジーパンに変なイラストのTシャツに学校指定のデッキシューズですよ。

前から可愛いとは思っていたけど、同じ制服を着ていたからここまで可愛いとは気づかなかった。っていうか、この心臓バクバクする感じって恋じゃね?昨日までただの友達だったのに今日から急に片想いの人になっちゃったよー。

清水さんに気づかれないようテーブルに戻って荷物をまとめていると、顔なじみの司書さんが「顔真っ赤だけど大丈夫?」と声をかけてくれて「大丈夫じゃないから帰りまーす」とヘラヘラしながら図書館を後にしました。

その後、夏休みの間に一度縁日で清水さんを見かけたんですが、その時もやっぱり声をかけられませんでした。朝顔柄の浴衣にコンバースの清水さんもほんっとに可愛かったなぁ。

二学期が始まったら席替えで班のメンバーも変わり、清水さんも制服しか着てこなくなったので、また元の友達に戻れました。(ひとりで勝手に盛り上がって萎んだだけの儚い恋でした)